はんぶんのさんま

五條市地図

新十津川町の母村、奈良県十津川村の隣の五條市に地域FM局があります。毎週火曜日に20分ほど五條市アワーの中で、五條市役所の人権擁護部の若い女性の職員方が、人権に関して啓蒙の放送を担当しています。

先日、世界人権宣言についてとてもわかりやすく説明をなされ、「人権とは」について、小学生の作文「はんぶんのさんま」を読まれました。
メールでやり取りができましたので状況をお聞きすると、奈良県の新任職員研修の折に、人権擁護委員の講師から紹介された作文と言うことでした。メールで送った戴きましたので、紹介します。

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生活綴り方
「はんぶんのさんま」 高知県 4年 さおり
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「あっ。」
ばんごはんのさんまを三びきやいて、おさらに入れようとしたら、二ひきめを、お母さんがゆかにおとした。さんまは、ピシャツとなってくしゃくしゃになった。

わたしは、「げっ。」と思った。
お母さんは、目が大きくなって、口があいて、さんまを見ていた。
わたしはおちたさんまがおかしくなって、「ワハハハ。」とものすごくわらった。
母さんは、まゆげが八の字になって、「お母さん食べちゃるけん。」と言って、おちたさんまを手でひろいはじめた。

わたしは、急にお母さんがかわいそうになった。
お母さんに、「わけちゃおか。」と言ったけど、お母さんはさんまをひろいながら、「もったいないから食べる。」と言った。
そしておちたさんまをおさらに入れて、テーブルの上においた。
さんまはくしゃくしゃになってあまり形はなかった。
お母さんとお兄ちゃんとわたしで三人で、ごはんを食べはじめた。
お母さんはひろったさんまを食べはじめた。
よごれてないところを食べるから、あまり食べるところはない。

わたしは、さんまを食べながら、お母さんがとてもかわいそうになった。
「もういらん。」
わたしは、自分のさんまをはんぶんのこした。
お母さんは、「もういらんが。」と、しんぱいそうにわたしに聞いた。

わたしは、ほしかったけど、お母さんがかわいそうだから、「いらん」と言った。
お母さんは、わたしがのこしたのを食べていた。

おいしそうだった。わたしは、「よかった。」と思った。 

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担当していた若い女性職員は淡々と作文を読まれ、最後に
さおりちゃんは、お母さんとお兄さんとの3人家族です。

人権とは、人の痛みがわかること
人権とは人の気持ちがわかること・・・ですねと、まとめてくれました。

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